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<Author: 杜甫>
<Title: 詠懷古跡五首 三>
<Format: 格式不明>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文有假名>
<style2: 日本現代譯文附假名標注>
<TranslatedTitle: 古蹟を詠懷す 五首 其の三>
<BookPage: 391>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
羣山萬壑赴荆門，
生長明妃尚有村。
一去紫臺連朔漠，
獨留青塚向黃昏。
畫圖省識春風面，
環佩空歸月夜魂。
千載琵琶作胡語，
分明怨恨曲中論。
<End Poem>
<Translation>
多（おお）くの山（やま）と谷（たに）とが、荊門山（けいもんざん）へとなだれるように連（つら）なって見（み）えるあたりに、王昭君（おうしょうくん）が生（う）まれ育（そだ）ったという村（むら）が、今（いま）もなお残（のこ）っている。

王昭君（おうしょうくん）は漢（かん）の王宮（お）を立（た）ち去（さ）ってからは、北方（ほっぽう）の砂漠（さばく）の果（は）てしなく続（つづ）く土地（とち）の人（ひと）となり、今（いま）はただ緑（みどり）の苔（たい）むした墓（はか）だけを、夕暮（ゆうぐれ）れの中（なか）に残（のこ）しているばかりである。

王昭君（おうしょうくん）はむかし、醜（みにく）く描（えが）かれた肖像画（しょうぞうが）によって、元帝（げんてい）に春風（しゅんぷう）のただようような宮中第一（きゅうちゅうだいいち）の美貌（びぼう）を知（し）られただけであった。今（いま）は彼女（かのじょ）の腰（こし）の飾（かざ）り玉（ぎょく）の音（おと）だけが空（そら）しくひびいて、月（つき）の夜（よる）の魂（たましい）となって帰（かえ）って来（く）るのである。

千年（せんねん）も語（かた）りつがれた王昭君（おうしょうくん）を物語（ものがたり）る琵琶（びわ）には、匈奴（きょうど）のことばがまじっていて、はっきりと、そのうらみが、曲（きょく）の中（なか）で述（の）べたてられているのだ。
<End Translation>